DIYからはじめる靴修理の基本とプロの修理法を道具と共に解説

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日ごろから使用する機会の多い靴ですが、履き方や修理の仕方によって長持ちさせることができます。DIY 感覚ではじめられる手軽な修理から、専用道具が必要になる本格的なものまで幅広く紹介します。やり方さえ分かってしまえば、初心者でもできる修理もあるのでトライしてみましょう。

また、本格的な修理法を知ることで、靴作りの奥深さも身につきます。

靴のゴム部分に割れが生じる原因と修理の方法について

靴の履き方から再確認しよう

最初に覚えておきたいのは、靴は履き方次第で寿命がかなり違うということです。一般的に一日中履き続けた靴の中は、コップ一杯180cc相当の汗が染み込んでいます。そこで、毎日同じ靴を履き続けるよりも、何足かの靴をローテーションさせながら履いた方が圧倒的に長く靴を履き続けられます。

使用後、靴の中に乾燥剤や新聞紙などを入れると効果的です。また、ある程度乾燥させた靴を陰干ししてから収納するのも長持ちの秘訣になります。例えば、スニーカーを毎日履き続けると3カ月から半年ほどで型崩れを起こし、靴本来の機能が発揮されません。

しかし、履いた後にひと手間かけるだけで、スニーカーの寿命は長く延ばせます。お気に入りの靴であれば、雨の日に履くのは避けましょう。雨に濡れた靴はとても柔らかくなり、本革を用いた革靴などは型崩れする可能性が高くなるからです。

その場合、帰宅後はできるだけ早く靴についた水分を乾いたタオルで拭き取りましょう。革靴などもキレイな水に湿らせたタオルで押し拭きすれば、表面の汚れを取ることができます。革靴に水と思われますが、ゴシゴシと力を入れなければ傷むことはありません。

意外に気づかないのは、サイズや足に合っていない靴を履くことです。足にフィットしていないと、歩き方もスムーズではなくなります。そのとき、余分な力が加わることで靴の品質を低下させてしまいます。特に革靴はデリケートで、靴ベラを使用して履くようにし、脱ぐときはかかとを手で押さえましょう。

さらには保管するときはシューキーパーを使用し、型崩れを防止します。

靴の傷みやすい部分を知ろう

革靴やスニーカー、ハイヒールやパンプスなど、靴といっても種類や機能はさまざまです。しかし、多くのケースで傷みやすいのは靴底で、中でもかかと部分です。それ以外では、つま先部分も知らぬ間に傷ついてしまいます。

特に革靴やヒールなどは傷が目立ちますので注意しなければいけません。さらに、長く履いているとインナー部分もヘタってきます。かかとの内側やインナーソールに穴が空いてしまうこともあります。また、保管状態によっては、カビや悪臭に悩まされることも珍しくありません。

DIY感覚でかかと部分を修理してみよう

特にかかとのすり減り修理は、DIY感覚ではじめやすいでしょう。靴修理といっても靴専用の道具は必要ありません。ペンチやカッターなどで間に合います。実際の修理方法としては、スニーカーや革靴と、ヒールで異なります。

まずは、スニーカーや革靴の場合ですが、市販されている靴底補強剤を利用するのが簡単です。靴底補強剤は、家庭でも使いやすいチューブ式をおすすめします。修理をはじめる前に、新聞紙、ヘラ、紙やすりなどを用意しましょう。

仕上がりを向上させるためにも、クリアファイルなどの薄いプラスチックシートがあると便利です。作業スペースを汚さないように新聞紙を広げたら、そこに修理したい靴を底が見える状態で置きます。カッターでプラスチックシートを長さ20センチ幅1.5センチの長方形に左右の靴2枚分を切り出します。

左右のかかと部分に側面からプラスチックシートを合わせてテープなどで貼り付けて固定しましょう。ちょうど、振り減った部分を囲むような状態です。そこまで準備できれば、靴底補強剤を少し多めに流し込んでいきましょう。

シートの隙間から外にはみ出さないように押さえながら、注入すると上手くできます。その後は、ヘラを使って大まかに慣らし、完全に固まるまで1日以上乾かします。ポイントは、補強剤のカラーを靴底の色に合わせることです。

見た目の印象がかなり変化します。実際に履いてみて違和感がなければ、修理は完了です。次に、ヒールの場合ですが、交換したいトップリフト(地面と接着するゴム)の大きさに近いサイズの新しい部品を準備しましょう。

100均や靴屋で手に入ります。他には、ペンチとトンカチ、接着剤が必要です。修理の手順は、交換したいすり減ったトップリフトをペンチで取り除きます。トップリフトには金属製の軸がついていて、ヒール部分に差し込まれています。

そこで、トップリフトを取り外したときに、ヒール部分に軸が残っていたら取り除きましょう。一度、新しい部品をヒールに差し込んでみて、穴と軸の兼ね合いを確認します。きつそうなときは、最後にトンカチで叩きながら装着します。

緩ければ軸と穴に接着剤を塗り込み、部品を固定すれば完成です。

靴の修理!縫い直しをするなら知っておきたいこと

プロはこんな専用道具を使っている

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本格的な修理の代表格といえば、オールソール交換でしょう。オールソール交換とは、靴底すべてを新しい部品と交換する修理です。特に革靴修理などで用いられます。最初に古い靴底をヒールはがしと呼ばれる道具を使ってはがしていきます。

しっかりとつまみやすい形状になっているのが特徴です。底縫いを施してある靴の場合は、古い紐も丁寧に取り除きます。実際にソールを取り除いてみると、靴の状態がはっきり分かります。必要であれば、シャンクやコルクを底に貼り付けて補強します。

靴はそれぞれに形が異なるので、部材を切り抜く際はリペアバサミが使われます。部材の厚みもあるので、切れ味の優れた道具がプロに人気です。靴の底面にしっかりと圧着させるには、ハンマーが用いられます。トンカチでも代用できますが、専用道具だけにハンマーヘッドの表面に丸みがあり、素材を傷つけないように仕立てられています。

靴底全体をならすには、グラインダーを使います。グラインダーは、円盤状の砥石が付いていて、削る作業を効率的に行える道具です。ソールを装着させるには、靴底とソールに接着剤を塗ります。その後、大型の専用道具でプレスをし完全に圧着させます。

この状態では靴底の方が大きいので、革切り包丁を使ってきれいに削りとっていきます。もう一度、グラインダーで側面を整えます。必要であればトップリフトも調整し、釘打ちを経て完成です。

自分でできる簡単な靴の修理やリメイク

特に革靴は上手に修理すれば10年以上も履ける

しっかりと手入れすれば、革靴なら10年を超えて履き続けることができます。特に昔ながらの製法で作られた靴ほど、修理できる範囲も増え、リペアが可能です。また、靴修理の専門家が使用する道具は、切れ味や操作性に優れたものがたくさんあります。

一方で、靴修理は職人のテクニックや知識も伴っていなければいけません。このあたりは、DIYで修理できる内容と異なります。しかし、プロの靴修理を実際に見ることで、自分でも工夫できる部分があるでしょう。これを機に、自分の靴を手入れしてみてはいかがでしょうか。